【相続】 特別縁故者に対する相続財産の分与について

2017-06-25

被相続人に相続人がいない場合、相続財産はどうなるのでしょうか。相続人がいない場合、最終的には相続財産は国庫に帰属しますが、直ちに国庫に帰属するわけではありません。被相続人と特別に縁故のあった人(特別縁故者)に一定の要件の下に相続財産を与える手続を民法は規定しております。したがって、所定の手続を踏むことにより特別縁故者が相続財産を受け取る余地が残されています。
 
相続が発生した場合において、相続人がいることが明らかでない場合、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって相続財産管理人を選任します。特別縁故者は利害関係人に該当しますので、まずは相続財産管理人を選任してもらうことになります。相続財産管理人が選任されると、相続財産管理人は相続財産の現状調査や相続債権者への弁済等をします。また、家庭裁判所の方では相続人捜索のための公告等が行われます。即ち、相続財産の管理清算手続と相続人の捜索手続が行われます。このような手続を経ても相続人が現れなかった場合、特別縁故者に対する相続財産の分与の手続に進みます。

家庭裁判所は、相当と認めるときは、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求により、これらの者に、残存する相続財産の全部又は一部を与えることができるとされています。このような規定が設けられているのは、相続財産を国庫に帰属させるよりも、被相続人と特別な縁故関係にあった者に相続財産を与えた方が被相続人の遺志にかない、縁故関係にあった者の保護にも資するためです。なお、法人等の団体(学校、福祉施設など)も特別縁故者になり得ます。
特別縁故者に該当するか否かは個別の事案に応じて家庭裁判所が判断します。分与される財産の割合についてですが、被相続人と縁故関係が強い内縁の夫婦、事実上の養親子などの場合には相続財産の全部が分与されることが多いようです。

特別縁故者に該当するとして相続財産の分与を受けるためには時間も費用もかかります。ですので、相続人はいないが世話になった人に遺産をあげたいという場合には、予め遺言書を書くなどして手当てをしておくことが必要といえます。

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