醜状痕について
交通事故により外貌(頭部、顔面部、頸部)に醜状痕が残った場合、その程度によっては後遺障害に該当する場合があります(外貌に著しい醜状を残すものが7級、外貌に相当程度の醜状を残すものが9級、外貌に醜状を残すものが12級)。
かつては男性と女性で後遺障害の等級認定に差異がありましたが、平成22年6月10日以降に発生した事故については男女の区別はされておりません。
外貌醜状における後遺障害等級の認定基準は以下のとおりとなっており、後遺障害に該当する場合には慰謝料等の増額の見込みが出てきます。なお、上肢・下肢の露出面の醜状については、14級に該当する場合があります。
(1) 7級の認定基準である「著しい醜状」とは、原則として次のいずれかに該当する場合で、
人目につく程度以上のものをいいます。
- 頭部にあっては、手のひら大(指の部分は含まない。以下同じ)以上の瘢痕又は頭蓋骨の手のひら大以上の欠損
- 顔面部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥没
- 頸部にあっては、手のひら大以上の瘢痕
(2) 9級の認定基準である「相当程度の醜状」とは、原則として、顔面部の長さ5センチメー
トル以上の線状痕で、人目につく程度以上のものをいいます。
(3) 12級の認定基準である「醜状」とは、原則として次のいずれかに該当する場合で、人目
につく程度以上のものをいいます。
- 頭部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損
- 顔面部にあっては、10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3センチメートル以上の線状痕
- 頸部にあっては、鶏卵大面以上の瘢痕