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【セミナー】 家族が揉めない遺言書の作り方講座を開催します

2017-05-07

平成29年5月27日(土)午後3時から、以下のとおり家族が揉めない遺言書の作り方講座を開催します。ご興味のある方はぜひご参加ください。

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~大切な家族の絆を守るために自分の思いを伝えましょう~

超高齢社会に伴い、遺産相続問題は身近な問題となってきました。

例えば、こんなお悩みはありませんでしょうか?

・自分が亡くなった後に子どもたちが遺産で揉めないだろうか。
・子どものうちの一人が遺産を独り占めしないだろうか。
・子どもたちの仲が悪いので、自分が亡くなった後に遺産分割の話し合いができるだろうか。
・普段身のまわりの世話をしてくれる子どもに遺産を多めにあげたい。
・親の相続で兄弟と揉めたことがある。自分のときは大丈夫だろうか。

このようなときに思いつくのが遺言書を書いておくことだと思います。では遺言書は自分の思ったことを好きなように書けばそれで良いのでしょうか?
また、遺言書を書いたとして、その遺言書をどこに保管しておけば良いのでしょうか。子どもの一人に預けておきますか?それともタンスや仏壇にしまっておきますか?

遺言書は自分の好きなように書けば良いというものではなく、遺言書が有効となるための要件が法律で決まっております。ですので、法律の要件を満たしていないと、せっかく遺言書を作っても無効になってしまうおそれがあります。 つまり、ただ遺言書を作っただけでは根本的な解決にならないだけでなく、その不明瞭な遺言書があるためにかえって子どもたちが混乱し、対立を悪化させてしまう可能性があるのです。
また、遺言書をタンスや仏壇にしまっておいても、遺言書を発見してもらい適任者に遺言の内容を執行してもらわなければ、自分の思いは叶えられません。

ではどうすれば良いのでしょうか。根本的には、法律の要件を満たし、かつ、あなたの思いを反映させた遺言書を作成・保管し、適切な遺言執行者をつけておくことが必要といえるでしょう。

つまり、自分の思いを叶えるためには、

「作成」→「保管」→「執行」

の3つのステップを踏む必要があるといえます。本セミナーでは、そのための遺言書の作り方をお教えします。

【セミナーの内容】
・遺言書の種類、方式を説明します。
・遺言書には何を書いても良いのでしょうか。遺言書に書く内容を説明します。
・相続人、財産の把握の仕方について説明します。
・効果的な財産の分配方法を説明します。
・遺言内容は誰が執行するのかを説明します。
  ↓  
 セミナーを受講することにより、遺言書の始めから終わりまでの流れが分かります。

【セミナー受講特典】
・相続人のつながりが分かる図表(相続関係図)、遺言書作成例、遺産目録シートをプレゼント
・60分の無料個別相談付き(後日行います)

【開催日時】  
 平成29年5月27日(土)15:00~17:00

【場所】
 水道橋貸会議室 ROOMS 第4会議室
 JR水道橋駅西口改札より徒歩2分
 東京都千代田区三崎町3-4-10庄司ビル5
 http://k-rooms.jp/office/suidoubashi/lunch/pdf/map_print.pdf

【定員】  
   
先着8名

【参加費】
 5,000円 ⇒ 3,000円(5月19日までの申込みに限り割引)
 ※当日支払 

【申込方法】
 本ホームページのお問い合わせフォームからお申し込みください。
 https://tokyo-onolaw.jp/inquiry/

【注意事項】
 大変恐れ入りますが、弁護士その他士業の先生、相続業務に携わる方の参加はご遠慮ください(弊事務所が個別に承認した場合を除く)。

【相続】 自筆証書遺言の押印はどこにする?

2017-04-06

自筆証書遺言をする場合、遺言者はその全文、日付及び氏名を自書し、これに押印しなければならないとされています(民法968条1項)。この押印は、署名のすぐ後にするのが通常であり(契約書などでもそうですね)、それが我が国の慣行や法意識に合致する押印の仕方といえます。
そのような押印で自筆証書遺言の要件を満たすのはもちろんですが、では、押印が署名のすぐ後にされていなかった場合、自筆証書遺言は無効となってしまうのでしょうか。

この点について、署名はあるが押印がない遺言書本文を入れた封筒の封じ目の押印をもって自筆証書遺言の押印として足りるとした最高裁判例があります(平成6年6月24日判決)。同判決は、その理由を特に述べておりませんが、文書の完成を担保するとの趣旨を損なわない限り押印の位置は必ずしも署名下であることを要しないものと解されているようです。

したがいまして、押印が署名のすぐ後にされていなかったとしても直ちに自筆証書遺言が無効になるわけではありません。近時の裁判例でも、
①自筆証書遺言が、ステープラーで留められた2枚の書面と封筒からなるところ、遺言者の署名下に押印はないものの1枚目の裏面と2枚目の表面にまたがり遺言者の実印により契印されていた
②遺言書が無地の封筒に入れられ、その綴じ目には「〆」の文字と共に遺言者の実印と矛盾しない印が押印されていたが(印影が不鮮明だったため実印とは認定されていません)、家庭裁判所による検認時には封がされていない状態であった
という事案において、①の事実をもって自筆証書遺言の有効性を認めたものがあります(東京地判平成28年3月25日。②の事実は自筆証書遺言を有効とする根拠とはなっていません)。

ただし、逆に常に遺言書が有効となるわけでもありません。例えば、遺言書本文に押印のない事案において、押印のある封筒と遺言書との一体性が認められないことを理由に自筆証書遺言を無効とした事案もあります(東京高判平成18年10月25日)。
したがいまして、自筆証書遺言に押印する際は、署名のすぐ後に押印して疑義を残さないようにしておくことが大切です。

【企業法務】 改正個人情報保護法が施行されます

2017-04-04

平成27年9月に個人情報保護法が改正され、今年の5月30日から施行されます。
今までの個人情報保護法は、取り扱う個人情報が5000件以下の小規模な事業者については適用対象外としていましたが、今般の改正により、この5000件の要件が廃止されました。したがって、1件でも個人情報を取り扱っている事業者は個人情報保護法の適用対象になりますので、個人事業主、中小企業、大企業を問わず、改正法に対応した措置を取ることが必要になります。
個人情報保護法では、個人情報等の取得、利用、管理、第三者提供について様々な規制があります。例えば、個人情報の取得については原則として利用目的を特定して通知または公表する必要があり、単に「事業活動に用いるため」「マーケティング活動に用いるため」といった理由では不十分です。プライバシーポリシーの見直しや個人情報を取り扱う従業員への教育・体制整備などが必要になってきますので、対策がまだお済みでない場合はお気軽にご相談ください。

【セミナー】 家族が揉めない遺言書の作り方講座を開催します

2017-03-03

平成29年3月18日(土)午後3時から、以下のとおり家族が揉めない遺言書の作り方講座を開催します。ご興味のある方はぜひご参加ください。

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~大切な家族の絆を守るために自分の思いを伝えましょう~

超高齢社会に伴い、遺産相続問題は身近な問題となってきました。

例えば、こんなお悩みはありませんでしょうか?

・自分が亡くなった後に子どもたちが遺産で揉めないだろうか。
・子どものうちの一人が遺産を独り占めしないだろうか。
・子どもたちの仲が悪いので、自分が亡くなった後に遺産分割の話し合いができるだろうか。
・普段身のまわりの世話をしてくれる子どもに遺産を多めにあげたい。
・親の相続で兄弟と揉めたことがある。自分のときは大丈夫だろうか。

このようなときに思いつくのが遺言書を書いておくことだと思います。では遺言書は自分の思ったことを好きなように書けばそれで良いのでしょうか?
また、遺言書を書いたとして、その遺言書をどこに保管しておけば良いのでしょうか。子どもの一人に預けておきますか?それともタンスや仏壇にしまっておきますか?

遺言書は自分の好きなように書けば良いというものではなく、遺言書が有効となるための要件が法律で決まっております。ですので、法律の要件を満たしていないと、せっかく遺言書を作っても無効になってしまうおそれがあります。 つまり、ただ遺言書を作っただけでは根本的な解決にならないだけでなく、その不明瞭な遺言書があるためにかえって子どもたちが混乱し、対立を悪化させてしまう可能性があるのです。
また、遺言書をタンスや仏壇にしまっておいても、遺言書を発見してもらい適任者に遺言の内容を執行してもらわなければ、自分の思いは叶えられません。

ではどうすれば良いのでしょうか。根本的には、法律の要件を満たし、かつ、あなたの思いを反映させた遺言書を作成・保管し、適切な遺言執行者をつけておくことが必要といえるでしょう。

つまり、自分の思いを叶えるためには、

「作成」→「保管」→「執行」

の3つのステップを踏む必要があるといえます。本セミナーでは、そのための遺言書の作り方をお教えします。

【セミナーの内容】
・遺言書の種類、方式を説明します。
・遺言書には何を書いても良いのでしょうか。遺言書に書く内容を説明します。
・相続人、財産の把握の仕方について説明します。
・効果的な財産の分配方法を説明します。
・遺言内容は誰が執行するのかを説明します。
  ↓  
 セミナーを受講することにより、遺言書の始めから終わりまでの流れが分かります。

【セミナー受講特典】
・相続人のつながりが分かる図表(相続関係図)、遺産目録シートをプレゼント
・60分の無料個別相談付き(後日行います)

【開催日時】  
 平成29年3月18日(土)15:00~17:30

【場所】
 水道橋貸会議室 ROOMS 第4会議室
 JR水道橋駅西口改札より徒歩2分
 東京都千代田区三崎町3-4-10庄司ビル5

 http://k-rooms.jp/office/suidoubashi/lunch/pdf/map_print.pdf

【定員】  
   
先着8名

【参加費】
 5,000円 ⇒ 3,000円(3月10日までの申込みに限り割引)
 ※当日支払 

【申込方法】
 本ホームページのお問い合わせフォームからお申し込みください。
 https://tokyo-onolaw.jp/inquiry/

【注意事項】
 大変恐れ入りますが、弁護士その他士業の先生、相続業務に携わる方の参加はご遠慮ください(当事務所が個別に承認した場合を除く)。

※本セミナーについては、こくちーずでもご案内しております。
http://kokucheese.com/event/index/455198/

 

 

【不動産】 敷金と原状回復義務について

2017-02-26

賃貸マンションの退去時によく起きるトラブルとして、敷金と原状回復義務があります。本来、賃貸借契約においては、通常使用に伴う汚損・損耗の修繕費用は使用利益の対価である賃料によって当然に賄われていると解されています。したがって、通常使用に伴う汚損・損耗については賃借人がこれを新品同様の状態に原状回復する義務はなく、賃貸人が敷金から補填することはできないのが原則です。国土交通省住宅局が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」においても同様の考え方が示されています。

しかし、賃貸借契約書に、通常使用に伴う汚損・損耗についても賃借人が負担するという特約が付いている場合、その特約が有効となる場合があります。最高裁判例では、賃借人が補修費用を負担することになる通常損耗及び経年変化の範囲が賃貸借契約書の条項自体に具体的に明記されているか、あるいは賃貸人が口頭により説明し賃借人がその旨を明確に認識し、それを合意の内容としたなど「通常損耗補修特約」が明確に合意されている場合には、賃借人に原状回復義務が認められるとしており、賃借人が通常使用に伴う汚損・損耗について原状回復義務を負う場合があることを認めています。

原状回復ガイドラインでも同様の観点から、①特約の必要性があり、かつ暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること、②賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること、③賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること、の要件を満たす場合には通常損耗補修特約が有効になるとしています。

例えば、畳のすり減りや画鋲の跡(但し下地ボードの張替えが不要な程度のもの)などは賃借人が通常の生活をする上で発生するものなので通常使用に伴う汚損・損耗であり、敷金で補填することはできず、したがって、他に汚損・損耗などがなければ敷金は返還されるのが原則です。しかし、通常損耗補修特約が成立していると認められる場合には賃借人が原状回復義務を負担することになります。したがって、原状回復義務を巡ってトラブルになったときは、賃貸借契約書で原状回復義務についてどのように取り決められているかを確認する必要が出てきます。

退去の際にトラブルになるのは、賃貸人・賃借人双方にとって好ましくない事態です。賃貸人側であれば、原状回復義務の範囲について賃貸借契約書で詳細に定めておくこと(対象箇所、単位、単価などを明記する)、賃借人側であれば契約前に賃貸借契約書をよく読んで原状回復義務を負担する範囲を理解すること、負担の範囲が大きいようであれば契約しないことも考えることが重要です。

【セミナー】家族が揉めない遺言書の作り方講座を開催しました

2017-01-30

平成29年1月28日(土)午後3時から「家族が揉めない遺言書の作り方講座」と題してセミナーを開催しました。定員8名のところ7名の方にご参加いただきました。お忙しい中ご参加いただいた方に心より御礼申し上げます。
2時間という限られた中で全てをお伝えすることはなかなか難しいのですが、遺言書の作成から保管、執行までの一連の流れを理解しておく大切さを伝えることはできたかと思います。

参加者からは以下のとおり貴重な声をいただきました。

【参加者の声】
・なかなか亡くなった後の事を真剣に考える機会がないので、あらためて今のうちにできることをしておかないと、と感じました(女性)
・わかっていた事であっても、少々あやふやな部分もあった事がうきぼりになって参加してよかったです。2時間があっという間でした(女性)
・分かりやすい説明で相続の基礎を学ぶことができました。今回のセミナーのような内容を知りたい方はたくさんいると感じました(女性)
・裁判所の見解や判断、弁護士の先生の考えを学ぶ事ができて、とても良かったです(女性)
・相続の基本事項をコンパクトにかつ重要事項を漏らさずに、わかりやすく話して頂いた事に感謝いたします。また、個人的には、このように話せばとてもわかりやすく相続手続の基本事項を短時間でお伝えできるのか、ととても参考になりました(男性)

遺言書に対する一般の理解度はまだまだ十分ではないと感じています。相続でつらい思いをする方が一人でも減るように、定期的にセミナーを開催していきたいと思います。

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【セミナー】 家族が揉めない遺言書の作り方講座を開催します

2016-12-26

遺言書

平成29年1月28日(土)午後3時から、以下のとおり遺言書の作り方講座を開催しますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

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~大切な家族の絆を守るために自分の思いを伝えましょう~

超高齢社会に伴い、遺産相続問題は身近な問題となってきました。

例えば、こんなお悩みはありませんでしょうか?

・自分が亡くなった後に子どもたちが遺産で揉めないだろうか。
・子どものうちの一人が遺産を独り占めしないだろうか。
・子どもたちの仲が悪いので、自分が亡くなった後に遺産分割の話し合いができるだろうか。
・普段身のまわりの世話をしてくれる子どもに遺産を多めにあげたい。
・親の相続で兄弟と揉めたことがある。自分のときは大丈夫だろうか。

このようなときに思いつくのが遺言書を書いておくことだと思います。では遺言書は自分の思ったことを好きなように書けばそれで良いのでしょうか?
また、遺言書を書いたとして、その遺言書をどこに保管しておけば良いのでしょうか。子どもの一人に預けておきますか?それともタンスや仏壇にしまっておきますか?

遺言書は自分の好きなように書けば良いというものではなく、遺言書が有効となるための要件が法律で決まっております。ですので、法律の要件を満たしていないと、せっかく遺言書を作っても無効になってしまうおそれがあります。 つまり、ただ遺言書を作っただけでは根本的な解決にならないだけでなく、その不明瞭な遺言書があるためにかえって子どもたちが混乱し、対立を悪化させてしまう可能性があるのです。
また、遺言書をタンスや仏壇にしまっておいても、遺言書を発見してもらい適任者に遺言の内容を執行してもらわなければ、自分の思いは叶えられません。

ではどうすれば良いのでしょうか。根本的には、法律の要件を満たし、かつ、あなたの思いを反映させた遺言書を作成・保管し、適切な遺言執行者をつけておくことが必要といえるでしょう。

つまり、自分の思いを叶えるためには、

「作成」→「保管」→「執行」

の3つのステップを踏む必要があるといえます。本セミナーでは、そのための遺言書の作り方をお教えします。

【セミナーの内容】
・遺言書の種類、方式を説明します。
・遺言書には何を書いても良いのでしょうか。遺言書に書く内容を説明します。
・相続人、財産の把握の仕方について説明します。
・効果的な財産の分配方法を説明します。
・遺言内容は誰が執行するのかを説明します。
・いざ遺言書を書いてみよう。
  ↓  
 セミナーを受講することにより、遺言書の始めから終わりまでの流れが分かります。

【セミナー受講特典】
・相続人のつながりが分かる図表(相続関係図)、遺産目録シートをプレゼント
・60分の無料個別相談付き(後日行います)

【開催日時】  
 平成29年1月28日(土)15:00~17:00

【場所】
 水道橋貸会議室 ROOMS 第2会議室
 JR水道橋駅西口改札より徒歩2分
 東京都千代田区三崎町3-4-10庄司ビル5階
 http://k-rooms.jp/office/suidoubashi/lunch/pdf/map_print.pdf

【定員】  
    先着8名

【参加費】
 5,000円 ⇒ 3,000円(1月20日までの申込みに限り)
 ※当日支払 

【申込方法】
 本ホームページのお問い合わせフォームからお申し込みください。
 https://tokyo-onolaw.jp/inquiry/

【注意事項】
 大変恐れ入りますが、弁護士その他士業の先生、相続業務に携わる方の参加はご遠慮ください。

※本セミナーについては、こくちーずでもご案内しております。
 http://kokucheese.com/event/index/444875/

【相続】 預貯金債権も遺産分割の対象となりました

2016-12-20

ニュースなどで取り上げられておりましたが、昨日最高裁判所において遺産分割における預貯金債権の取扱いに関する決定が出されました。

(全文)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/354/086354_hanrei.pdf

結論としては、普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象になるというものです(裁判官全員一致の意見)。

本事件では普通預金、ゆうちょ銀行の通常貯金及び定期貯金が対象となっていたことから、最高裁は、それぞれの預貯金債権について分けて検討しており、それぞれ以下の理由が挙げられています。

1.普通預金債権、通常貯金債権

・普通預金契約及び通常貯金契約は、一旦契約を締結して口座を開設すると、以後預金者がいつでも自由に預入れや払戻しをすることができる継続的取引契約であり、口座に入金が行われるたびにその額についての消費寄託契約が成立するが、その結果発生した預貯金債権は、口座の既存の預貯金債権と合算され、1個の預貯金債権として扱われるものであること
・このように、普通預金債権、通常貯金債権は、いずれも1個の債権として同一性を保持しながら常にその残高が変動し得るものであり、この理は預金者が死亡した場合においても異ならないこと
・これらの債権は口座において管理されており、預貯金契約上の地位を準共有する共同相続人が全員で預貯金契約を解約しない限り、同一性を保持しながら常にその残高が変動し得るものとして存在し、各共同相続人に確定額の債権として分割されることはないと解されること
・相続開始時における各共同相続人の法定相続分相当額を算定することはできるが、預貯金契約が終了していない以上、その額は観念的なものにすぎないこと
・預貯金債権が相続開始時の残高に基づいて当然に相続分に応じて分割され、その後口座に入金が行われるたびに各共同相続人に分割されて帰属した既存の残高に、入金額を相続分に応じて分割した額を合算した預貯金債権が成立すると解することは、預貯金契約の当事者に煩雑な計算を強いるものであり、その合理的意思に反すること

2.定期貯金債権

・定期貯金の前身である定期郵便貯金につき、郵便貯金法は、一定の預入期間を定め、その期間内には払戻しをしない条件で一定の金額を一時に預入するものと定め、原則として預入期間が経過した後でなければ貯金を払い戻すことができず、例外的に預入期間内に貯金を払い戻すことができる場合には一部払戻しの取扱いをしないものと定めていること
・郵政民営化法の施行により、日本郵政公社は解散し、その行っていた銀行業務は株式会社ゆうちょ銀行に承継され、ゆうちょ銀行は、通常貯金、定額貯金等のほかに定期貯金を受け入れているところ、その基本的内容が定期郵便貯金と異なるものであることはうかがわれないから、定期貯金についても、定期郵便貯金と同様の趣旨で、契約上その分割払戻しが制限されているものと解されること
・この制限は、単なる特約ではなく定期貯金契約の要素というべきであること
・定期貯金債権が相続により分割されると解すると、それに応じた利子を含めた債権額の計算が必要になる事態を生じかねず、定期貯金に係る事務の定型化、簡素化を図るという趣旨に反すること
・仮に定期貯金債権が相続により分割されると解したとしても、同債権には上記の制限がある以上、共同相続人は共同して全額の払戻しを求めざるを得ず、単独でこれを行使する余地はないので、そのように解する意義は乏しいこと

このように、最高裁は各預貯金債権の内容及び性質から結論を導いています。この結論を導いた背景として、一般的には遺産分割においては被相続人の財産をできる限り幅広く対象とすることが望ましいこと、現金のように評価についての不確定要素が少なく、具体的な遺産分割の方法を定めるに当たっての調整に資する財産を遺産分割の対象とすることに対する要請も広く存在するところ、預貯金が現金に近いものとして想起されること、といった観点も踏まえられているようです。

今回の最高裁決定は、今までの最高裁判例(預金債権は当然に分割されるとの立場)と銀行実務の取扱い(相続人全員の同意がなければ払戻に応じない)との齟齬を修正するものとして大きな意味があるといえるでしょう。ただ、裁判官の意見において、被相続人の生前に扶養を受けていた相続人が預貯金を払い戻すことができず生活に困窮する、被相続人の入院費用や相続税の支払に窮するといった事態が生ずるおそれがあること等が指摘されています(この点に対しては、補足意見において、遺産分割の審判事件を本案とする保全処分として、例えば、特定の共同相続人の急迫の危険を防止するために、相続財産中の特定の預貯金債権を当該共同相続人に仮に取得させる仮処分等を活用することが考えられる、とされています)。

最高裁判例が出たばかりですので、今後の実務の動向等に注目していきたいと思います。

【相続】 相続放棄したらそれで終わりですか?

2016-11-27

相続放棄というのは、亡くなった人に借金があってプラスの財産より多い場合に、相続人が借金の支払いを免れるためにある制度です。相続放棄をした者は、初めから相続人とならなかったものとみなされます。

では、相続放棄をすれば、後のことは我関せずで良いのでしょうか?

民法上、相続放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意義務をもって、その財産の管理を継続しなければならないとされています。また、それと共に、相続放棄をした者には、事務処理状況の報告義務、財産の引渡義務も課せられています(民法940条)。注意義務に反する管理行為によって相続財産に損害を生じさせた場合は、その賠償責任を負います。

これは、相続財産が管理されないまま放置されてしまうと、他の相続人、次順位の相続人、相続債権者などに損害を与えるおそれがあるので、無管理状態による相続財産の滅失毀損を防止するため、相続放棄をした者に一定期間相続財産を管理する法的責任を負わせているのです。

例えば、亡くなった人が空き家を所有していた場合を想定すると分かりやすいかと思います。この場合、相続放棄したからといって空き家をほったらかしにして良いことにはなりません。
相続放棄をした者は、他の相続人(同順位の相続人がいない場合は次順位の相続人)に空き家の管理を始めてもらうため速やかに連絡して引き継いでもらう必要があります。それまでの間は空き家を管理しなければなりません。
次順位の相続人も相続放棄して相続人が不存在となる場合には、相続財産の管理人が選任されて職務を開始するまで相続放棄をした者の管理義務が継続しますので、相続財産管理人の選任申立てを検討する必要があるでしょう。

なお、相続放棄をした者と第三者との関係についてはどうでしょうか。例えば、前記の事例で、管理不十分のため空き家が倒壊して隣家に損害を与えた場合です。隣家の人が管理義務違反を理由に損害賠償請求してくることが考えられます。

この場合、民法940条が第三者との関係でも根拠条文になるかははっきりしないように思うのですが(民法940条の趣旨が、他の相続人や相続債権者の保護を目的としていることや、民法940条が準用する委任規定における委任者が相続人と解されているため)、第三者との関係では不法行為責任(民法709条、民法717条)を負う可能性が考えられますので、いずれにせよ結論として損害賠償責任を負う可能性があることに変わりはないように思われます(個人的な見解です)。

相続放棄は大変ありがたい制度ですが、相続放棄して一件落着で終わらない場合があります。相続財産の内容などを吟味する必要がありますので、判断に迷ったときは弁護士にご相談ください。

【交通事故】 交通事故における慰謝料の金額について

2016-10-25

交通事故においては、日々発生する事故の迅速処理の要請や、当事者間の公平といった観点から損害賠償額の基準化・定額化が進んでおり、裁判実務においても「民事交通事故訴訟・損害賠償額算定基準」(いわゆる「赤い本」)などの基準を用いて算定されています。
慰謝料については、①死亡慰謝料、②傷害慰謝料、③後遺症慰謝料、の3つに分類されています。

 ① 死亡慰謝料の金額について見ますと、赤い本の平成28年版においては、

一家の支柱   2800万円
母親・配偶者  2500万円
その他     2000~2500万円

とされています。その他とは、独身の男女、子ども、幼児等が該当します。裁判例では内縁の配偶者にも固有の慰謝料請求が認められており、また、事案によっては兄弟姉妹や祖父母、孫にも固有の慰謝料請求が認められる場合があります。
なお、この基準は死亡慰謝料の総額であり、遺族固有の慰謝料を含んだ額とされています。また、この基準は一応の目安であり、具体的な斟酌事由によって増減の余地があります。

② 傷害慰謝料の場合は、原則として入通院期間を基礎として算定されます。赤い本には入通院期間ごとに慰謝料額の一覧表が掲載されており、この表に当てはめて算定します。通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度をふまえ、実通院日数の3.5倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とされることもあります。
また、むち打ち症で他覚所見がない場合や軽い打撲・軽い挫創の場合は別の表を用いることとされています。通院が長期にわたる場合は、症状、治療内容、通院頻度をふまえ実通院日数の3倍程度を慰謝料算定のための通院期間の目安とすることもあります。

③ 後遺症慰謝料についても、赤い本などでは後遺障害等級に応じて慰謝料額が一覧化されています。後遺障害の場合でも、死亡に比肩するような精神的苦痛を受けた場合には、近親者にも固有の慰謝料が認められています。

この他に、加害者に故意又は重過失(無免許、ひき逃げ、酒酔い等)がある場合や、著しく不誠実な態度等がある場合は慰謝料の増額事由ありとして、賠償額が増額される可能性があります。

交通事故における慰謝料については定額化が進んでいるとはいえ、具体的な事案に照らし合わせながら請求額を精査する必要があります。また、保険会社からの提示金額は低いのが一般的ですので、保険会社から提示を受けた賠償額を鵜呑みにせず、早めに弁護士に相談することが肝要です。

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